好きな峠

ニューサイクリング誌の1985年5月号。

これを見て「自分なら?」と思ったのだけど、選び始めると相当に難しい。
思い入れは当然、景色だったり、そこに至る道程だったり。
うーん・・・あれこれと悩むこと数日、なんとなく選んでみたのが下記の峠だ。

月夜沢峠(長野県木曽郡木曽町/長野県松本市 : 月夜沢林道)

自分が越えた頃は開田村と奈川村の境。
名前が何とも素敵で、当時、妙に惹かれていたのを覚えている。
全線に渡りほどよく荒れたダート、変化に富んだ面白い林道。野性味あふれる峠らしい峠だった。
確か下りでパンクしたはず・・・そんな記憶が残っている。
現在は大規模な崩落があり通行不可の模様。
自然に還りつつあるが、近々、仲間と再訪の予定。

北沢峠(長野県伊那市/山梨県南アルプス市 : 南アルプス・スーパー林道)
車両の類は当時から通行禁止。
もちろん自転車もご法度だったこの峠、金沢大のT君と夜叉神峠を越えて広河原へ入り幕営。関係車両が通らない夜間~早朝を狙って越えたのだが・・・。
寝坊をして出発時間が遅れた結果、下りでバスが上ってくるというハプニング。
まあ、戸台のゲートは何とか突破。
若気の至り。

椎矢峠(宮崎県東臼杵郡椎葉村/熊本県上益城郡山都町 : 内大臣林道・椎葉林道)

憧れの椎葉村。
正月休みを利用、青春18きっぷで湯前まで輪行。不土野峠から椎矢峠を越え、一日で矢部まで抜けたのだが泣きが入った。
40km強の林道、迫る夕闇。
峠を辞して、今からすると頼りないほど暗いライトを点灯して林道を下り、21時過ぎに矢部へとたどり着いた。
バス停の小屋で寝袋に包まり、翌朝、目が覚めれば一面の銀世界。
以後の予定はすべて中止して帰京したのであった。

十石峠(長野県南佐久郡佐久穂町/群馬県多野郡上野村 : 国道299号線・黒川林道・矢久沢林道)
山サイ研のメンバーと出会うきっかけとなったのが十石峠。
オーダーして出来上がったばかりのSWワタナベのスポルティーフで旧十石峠道を下るという、後にも先にもない経験をさせてもらった。
確か・・・途中で暗くなり、浜平(奥多野館)に到着したのは19時過ぎだったはずだ。
なお、同行した諸氏の中に、現在、浅草で自転車店を営んでいる大前氏がいた。
これをきっかけに、しばらく交流が続いた後に山サイ研のメンバーに加えてもらったのだ。

徳本峠(長野県松本市 : 登山道)
ウエンストン氏もたどった古の峠道。
何度も越えているが、峠直下のつづら折れを登り詰めた瞬間に現れる北アルプスの大パノラマ!
何とも劇的な峠なのだ。
当時は小屋のご主人も歓迎してくれたのだが、近年ではひどく怒られるらしい。
まあ、上高地側に下ってからの問題もあるので理解はできる。
因みに峠から明神までは乗車率80%くらい。
面白い下りが楽しめた。

安房峠(岐阜県高山市/長野県松本市 : 国道158号線)
一般国道。
当時から完全舗装だったけど、まだ安房峠トンネルがない時代。
高山側からしか上ったことがないが、ここも峠に着くとバーン!と北アルプスの素晴らしい山々が目に飛び込んでくる。
そういえば、当時はまだ「峠の茶屋」が営業してたっけ。
ここの下りはつづら折れの連続でスリリング!ただ、中の湯から断続的に続くトンネルは恐怖以外の何物でもない。

鞍掛峠(岐阜県下呂市/長野県木曽郡王滝村 : 御岳御厩野林道)
非常に厳しく、強烈な印象が残る峠。
やや荒れ気味のダート林道が50km以上、王滝側は森林軌道跡をたどって滝越へ抜けた。
現在、周辺の林道は全て立入禁止となり表向きには峠を越えることは叶わない。しかしながら、SDA王滝(MTBのレース)でその一部を走ることができた。
あれは感慨深かったな。
一言で表すとダイナミックな峠。

雁坂峠(山梨県山梨市/埼玉県秩父市 : 登山道)

日本三大峠のひとつ。
塩山から峠の入り口までが厳しいの何の。
担いで峠に至るまでの道は大したことはないが、下りは相当に快適。
川又までの乗車率は80%程度、なかなかの下りが楽しめた。

津軽峠(青森県中津軽郡西目屋村/同県西津軽郡鰺ヶ沢町 : 弘西林道)
かつては全線未舗装、東北、いや、国内最長とも言われた弘西林道にある峠、これが津軽峠だ。
弘前側から津軽峠・天狗峠・一ッ森峠と越え、日本海を目にした時は味わったことのない充実感と感動が押し寄せ、思わず涙がこぼれたっけ。
今では白神ラインと呼ばれ交通量も多いみたいだが、当時はすれ違うのはバイク、そして自転車乗りだけだった。
ここは再訪してみたい峠のひとつ。

二十曲峠(山梨県都留市/山梨県南都留郡忍野村 : 鹿留林道)
ここからの富士山は絶景!
当時は麓から全線未舗装、正月に峠でテン泊して富士山を眺めに行ったこともあったっけ。
何故か冬にしか越えたことがないし、いつも決まって忍野側は恐ろしいまでのアイスバーンになっていた。
今は舗装になったのかな?


とまあ、本当に簡単な紹介ですね。
こう見ると、やはり峠からの景色よりはそこに至る道程のほうが印象を強く与えるのかなと思います。
残りの人生、あといくつの峠を越すことができるのか。
まあ、ぼちぼち走っていければなと思います。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 是非とも蠅帽子峠も!!(10峠の中で)
    北沢峠、バス来てましてっけ?記憶薄いです。
    自分自身はやはり、鞍掛峠が1番でしょうか・・・・・
    径って意味では八十里越かなって思いますけど。

    そうそう、加越国境の小豆峠も雰囲気ありますよ。

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