それでは前回の続き、いってみましょう。
今回は背負う荷物、つまりはバックパックに収納する装備を紹介。ただし、あくまでも日帰り前提、行程も林道から容易な小径までとします。
なお、生命に関わる装備も含まれていますので全てを鵜呑みにせず、ご自身で吟味された上で参考にして頂ければと思います。
まずは基本的な装備から。雨具は以前サポートをして頂いていたイタリアの登山用具メーカー「バイロ」のイーベントを使用。ゴアテックスよりも伸縮性・柔軟性に優れ、ペダルを漕ぐに最適だと思っています。
もちろん防水性・通気性ともに良好、防寒着としても大活躍です。
さらにどこでも気兼ねなく座れるよう、マジックマウンテンのナノテク・シットマットも持参。ツーリング中の休憩中、ウトウトしてしまったら枕替わりにも!
なかなかの優れものです。
そして生業としている職業柄、リスクに対応できるアイテムはやや多めに持っていきます。万一の場合に備えたファーストエイドキットの中身は下記の通りです。
●消毒液
→初期段階での患部洗浄。
●消毒用アルコールジェル
→時勢柄、なんとなく持参。
●ワセリン
→内股のスレなどに使用。ただし、1度も使ったことはない。
●滅菌ガーゼ
→出血時の圧迫止血に使用。
●巻軸帯(4裂)
→主に患部やサムスプリントの固定に使用。大出血時の止血帯も兼ねるが最終手段。
●テーピング
→捻挫などの患部を固定。肉離れなどの補助に使用。
●ポイズンリムーバー
→虫刺され、毒虫に対しての予防。
●人工呼吸用キューマスク
→対人用。
●ニトリルグローブ
→大きな怪我などで手の消毒が不完全な場合に使用。対人使用もあり得る。
●小型ハサミ
→テーピングやガーゼのカットに不可欠。
こんな感じでしょうか。
主に外科的な対処のみを考え、内科的なもの(発熱・頭痛)などは想定外。そもそも、体調の悪い時に出かけたりしませんからね。
また、走行中、虫が顔に当たった経験・・・ありませんか?
自分は顔に蜂が当たって大きく腫れたことがあります。それを考えると、毒虫全般への対策としてポイズンリムーバーはぜひ持参したいアイテムだと思います。
なお、手ぬぐいは汗を拭いたり被ったりするだけでなく、三角巾の代替えにもなります。
あと、エイドキットの上にあるのは軽量サムスプリント。
骨折時などに使う、簡易的な固定用具です。
ただし、ここで重要なのは巻軸帯も三角巾も正しい使い方を知らなければ意味がありません。しかも、反復練習をしないと咄嗟の場合に使えない!なんて事態に陥ることもあります。
自分の身を助けるため、また傷病者と出会ってしまった時のことを考えて、各団体で行っている講習会に参加することをおすすめします。
次は飲食に関して。
水はナルゲンのトリタン(Tritan)を使用、容量は1L。
容易に給水できるプラティパスなどもいいのですが、走行しながら飲むことはないのでこれで十分。また、行動食のナッツなどを入れても使い勝手がよく、自転車でも山でも大活躍です。
そして、これにコンロ類を持っていけば、少し幸せな食事を楽しむことができる!
暖かい食事に美味しい珈琲・・・たまりませんな。バーナーはスノーピークの初代ギガパワーストーブ「地」を使用。
ちなみに希少なチタンモデルです(笑
これに同じくスノーピークのチタン製コッヘルを組み合わせれば、重さを考えずに持ち運ぶことができるのです。
そうそう、少し豪勢に「肉でも焼くか!」となればコレを持っていきます。
チヌークのキャニオン・ハードアノダイズド・フライパン。
少々大きい(21.5×5.5cm)のですが、これ1つで無敵な気分を味わえます。
なお、冬場はテルモスを持参することも。用具のサポートを受けているキーンとクリーン・カンティーンのコラボ製品。
これに熱湯を入れておけば、カップ麺やスープ類はすぐに作ることができますね。
そして、忘れてはならない地図。
ツーリスト御用達、ご存じ国土地理院地図。縮尺はもちろん1/25,000になります。昔ながらの折り方で小さくして携帯。
仕事柄、自分がいる場所の特定には絶対的な自信を持っているのですが、時として起こり得るヒューマンエラー。
その場合にダブルチェックの意味合いで使用するのがスマホの地図アプリ「ジオグラフィカ」になります。
現在位置さえ分かればいいので、これで必要十分。
なお、地図のキャッシュが無制限になる有料版(960円)を購入済みです。
以上、ここまでが基本となる装備。
あとは季節に応じてレイヤードを考え、防寒具や予備の衣類などを用意していきます。
また、行動食も重要ですね。
自分がいつもチョイスするのはコンビニで売られている「どら焼き」や「羊羹」といったもの、そして何より「ラムネ」なのだ。ラムネと言えば、山の世界では最適な行動食として広く知られている。
ぶどう糖の含有量は90%程度、口に含めば爽やかな清涼感。
せひお試しを!
とにかく、ハンガーノックで動けない・・・なんてことにならないよう注意したいものです。
そして、少し風変りな装備として、春と秋に大活躍する熊除けグッズ。大きな熊鈴とおもちゃの火薬鉄砲。これをパンパン鳴らしながら山へと分け入っていくのです。
人によって自転車を楽しむ基準は様々で、それに応じた装備というものがあると思います。
優先順位をどこに持っていくのか、これで大きく内容も変化すると思われますが「自分の身を助ける術」がなければ、万一の場合にはどうにもなりません。
考えてみて下さい。
夕刻、林道で転倒。
脚部が痛い・・・携帯は圏外で通じない。
多量の出血、止血する術が何もない・・・。
考えただけでゾッとします。
多くの人に欠けているであろう、その部分に少しだけ注力して頂ければと思ったりします。
大袈裟かもしれませんが、北アルプス・南部北部両地区の遭難救助隊員を長年務めた立場での、自分からのアドバイスです。
なお、非常に特殊な場合としてこういった例もあります。
特に冬期、雪中走行をお考えの場合には参考になると思います。
最後に使用中のバッグパックをご紹介。
日帰りであれば、この中の何れかを使っています。ドイター3兄弟。
お読みいただきありがとうございました。
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